父は若い頃、趣味が多くて、よく遊んだ人でした。
(働きながら学んでいたときも、ちゃんと週末は山に行っていたようです)
家庭を持ってからは、よく家族で遊びに行きました。
今考えると、本当にいろいろなところに連れて行ってくれて、
有り難かったなあと思います。
そして、私が、東京にお能や展覧会を見に行こうか、遠いので迷っていると、
遊びに行くお金は保健衛生費だぞ、と言って、
したいことをするように勧めてくれました。
我慢して病気になって病院に払うより、
好きなことにお金は使いなさい、と言うのでした。
母も私も鹿児島までお稽古に通えたのは、父のそういう考え方があったからと思います。
それでも、限られたお小遣い(仕事はしていましたが収入は少ない)の中で行くのですから、
今年はセーターを買おうと思っていたけれど、その分をお能にまわそう、とかは考えましたが。
好きなことをするのは保健衛生費、とは、うまいことを、と思います。
気が楽になりますよね。
治療をしながら、趣味を尋ねることがあります。
女性はたいてい趣味があるのですが、
男性は、無趣味の人も多く、
お酒か、ばくち(パチンコ・競馬)、という人も。
好きなことがあると、そのために体にも気を使うようになります。
お稽古を始めて、私はタバコをやめました。
なんといっても張りがあるではありませんか。
それに、楽しいことをするのは、免疫力も上がるといいますよ。
何か楽しいことがみつかると良いですね、と申し上げるのですが、
若い頃から、でなくても、始められることは多いと思います。
お金のかかることだけでなくて、何かあるはずと思います。
ちなみに、母はずっと家にいて、私は周りの方に、デイサービスをと言われるのですが、
寂しいのは寂しいかもしれませんが、
大抵は、読書、パズル、歌(賛美歌・昔の歌)、謡、テレビ、と何かやっています。
元気なときは、片付けをしています。(死ぬに死ねないといって)
よく冗談も言いますので、家では笑っていることが多いです。
前、もう少し体力のあるときは、絵も描いていました。
テレビを見て体操をしていることもあります。
もうすぐ死にそうな気がすると言っていますが、
死ぬまで元気でいられたら嬉しいです。
母は保健衛生費も使わずに、けっこう楽しそうにしています。